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その4 / 本屋で「久美子さん」に想いを馳せる。

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2015年06月16日


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週末に散歩がてら、久しぶりに近所の書店を覗いてみました。

自然に足はビジネス雑誌のコーナーへ。

驚いたのは、相続や節税対策、資産運用など、セカンドライフや終活に関わる雑誌やムックの多さ。

団塊世代が間もなく70代を迎えることと無縁ではないのでしょう。

書籍販売の一大ターゲット層のライフステージに合わせて、

品揃えもしっかり対応しているということでしょうか。

 

そう。ターゲット設定は、マーケティングのやり方(事業のコンセプトと言い換えてもいい)を決めていくうえでの肝心要です。

“誰に”を決めなければマーケティングもへったくれもありません。

ターゲットは、地域や世代や嗜好などで絞り込んでいくのが定石ですが、

ちゃんとビジネスを成立させるくらいのボリュームかを見極める必要があります。

といっても、すべての人のための商品やサービスなんて存在しないのだから、

とにかく“絞り込み”は必要なのです。

でも逆に、ターゲットは“一人”にまでとことん絞り込みなさい。

というようなことを言う専門家もいますが、それもちょっと不親切かも知れません。

ターゲットを一人に絞って成立するビジネスなんて存在しないのですから…

 

ターゲット層を設定したうえで、コミュニケーションターゲットを設定するのが

正しい手順だと思います。

決めたターゲット層のインサイト(心の中の本音)を掘り下げながら、

この人たちの欲求や共感を引き出せそうな一人の利用者像をイメージしてみる。

専門的には「ペルソナ」といいます。

ペルソナをきちんと立てる効果は、一人の利用者像に寄り添うことで、

より魅力的なサービスの磨き上げにつなげることができること。

ちゃんとターゲット層の心に届くメッセージを発信できるようになることだと思います。

「みんな」へのメッセージより「あなた」へのメッセージの方が刺さることは必然です。

 

僕が大好きな名著「ストーリーとしての競争戦略──優れた戦略の条件」(東洋経済新報社)の中で、

楠木建さんがASKULのビジネスモデルを紹介しています。

そして、従業員30人以下の小規模事業所でパートで事務を務める「久美子さん」の

憂鬱や苦労を解消するためのビジネスモデルだ。というのが楠木さんの論旨です。

狭いオフィス空間でストックスペースが限られる憂鬱、

トイレットペーパーやファイルなど、がさばる消耗品を抱えて階段を登る苦労、

そんな悩める久美子さんを救済するために「明日来る」サービスが誕生したのです。

この場合、ペルソナは久美子さんです。

久美子さんを心身のストレスから解放する緻密なビジネス設計が、

新しい、革新的なビジネスモデルを生んだわけです。

ターゲットを一人に絞り込む必要はありませんが、ターゲットを設定したら、

そのインサイトにしっかりと目を凝らしたり、

ペルソナの行動様式や価値観に丁寧に寄り添うマーケティングシナリオが大切。

ということでしょう。

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さて、書棚の1スパンを埋め尽くしていたシニア向け雑誌&ムックですが、

そのうちいくつの雑誌が実際に手に取られ、買われていくのか。少し心配なところです。