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その6/不思議の国のオリンピック

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2015年10月16日


ずいぶん長い間ブログの更新を休んでいましたが、

ファンの方々から次の記事を待望する声が殺到していた…ということも特になかったので、

これまでの怠慢を特に謝罪するでもなく、何事もなかったかのように再開してしまおうかと…。

 

謝罪といえば、数多くの謝罪の言葉が飛び交いながらも、責任の所在がはっきりしないのが、

2020東京オリンピックのエンブレム問題でした。

未だ戦犯探しに躍起の一部のマスコミを除いては、

文部科学大臣の引責でようやく問題は収束に向かっているかのようですが、

“新国立”の問題と併せて、海外での“こき下ろし”の格好のネタを提供し、

国内での開催気運を大いに削いだ責任は、ほんとうに重いと思います。

 

この問題、全く次元は違うとはいえ同じ業界に身を置くものとして、

やはり注視はしていました。

似ているのか似ていないのか…そもそもどういった基準で判定すべきなのか…などなど。

でも、そんな考察の中で、急に気になったのが、

東京オリンピックの事業としてのコンセプトがない。

あるいはあっても僕たちに見えていない。ということです。

 

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組織委のHPにはちゃんと記載がありました。

3つの基本コンセプトは「全員が自己ベスト」「多様性と調和」「未来への継承」だそうです。

強いブランドやビジネスには明確なコンセプトがつきものです。

「世界で一番幸せな場所」というコンセプトから、

あの老若男女誰もが笑顔になる時空間が創られたように。

はたまた「第三の場所」というコンセプトから、

日常の暮らしの中に新しい寛ぎの場所が生まれたように。

優れたコンセプトは事業のありようを決め、携わる人間たちの意志を束ね、

ユーザーに対する求心力を増幅させます。

言い換えれば、コンセプトが事業とユーザーとの接点のありようを決めるのです。

 

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では、エンブレムや“新国立”はどうだったか。

佐野氏の表層的なデザイン意図は聞かれましたが、

いかにコンセプトを踏まえたのかは、全く聞こえてきませんでした。

“新国立”にいたっては、今振り返れば、選考基準が全くわからなかったと思いませんか?

デザインについてコンセプトに根差した説明ができれば、

その必然性は強固となり、世論に対する説得力は高まり、

内外のより多くの人々を味方にできたはずです。

それで何か状況が変わったのかと聞かれても何とも答えようはないのですが、

ただ、ちょっと残念な気がします。

 

コンセプトはブランディングの基軸となり、マーケティングの推進力を高めます。

でも、東京オリンピックのマーケティングについては、ちょっと心配な状況です。

いろいろな物事の検討が密室から飛び出して、

コンセプトを広く国民みんなで共有し、協働、共創していこうという機運が、

そろそろ盛り上がってくるといいなぁ。